プリプロダクション③
03_データ保存
録音データの保存方法
録音データは撮影終了後すぐにバックアップを取る
バックアップは外付けのハードディスク、USBメモリー、クラウドストレージなど、複数のメディアで2ケ所以上の場所で保存する
ファイルの命名ルール
そのファイル名を見ただけで中身がわかるように、作品のタイトルをアルファベット三文字で決めてファイル名の頭につける
命名ルールはその作品スタッフ全員で共有するとトラブルがない
音声や映像ファイルはProtoolsで扱うので半角英数で名前をつける
テキストファイルやPDFは日本語を使っても構わないが作成した日付を書いておく
略称を使う時は大文字にするとか、日々スケ(日々のスケジュール)はHSにするなど事前に決めておく
台詞 「作品名_シーンナンバー_カットナンバー_テストかオンリー_テイクナンバー_OK/NG/Keep_レコーダー名(レコーダーが複数ある場合)」例「MWD_001_002_SO_002_OK_F4」
効果音「作品名_シーンナンバー_内容_テイクナンバー_OK/NG」例「MWD_001_nami_002_OK」
音楽「作品名_Mナンバー_内容」例「MWD_M01_piano」
テキストファイル「作品名_内容_作成日」例「MWD_機材リスト_200910」
予定表 「作品名_内容_作成日」例「MWD_HS1203_200916」
パソコンで音を聞く時
パソコンで音を聞く時、ファイルのをダブルクリックするとiTunesが立ち上がってしまい、コピーされてしまいます。これはデフォルトの設定がiTunesに設定されているためです。パソコンで音を聞く時はQuickTime Playerで再生するように設定します。
設定の方法
オーディファイルを右クリックし「情報を見る」を選択し、情報ウインドウを開きます。(⌘iでも情報ウインドウが開く)
「このアプリケーションで開く」の項目を「QuickTime Player.app」にします。
次に「すべてを変更...」をクリックし「続ける」をクリックすると、すべてのwavファイルがQuickTimeで開くようになります。
フォルダ構成
構成とは新明解国語辞典によると「それぞれの役割を果たしている各部分を、一定の順序や配置に従って一つのまとまりのある形(組織)に組み立てること。また、その組み立てられ方」とあります。下記のフォルダ構成図は録音ワークフロー図にあるような各パートと、その作業で使うファイルを考えて構成しました。
クラウドストレージで使う場合はフォルダ共有の権限も考えて構成します。
フォルダ構成するコツは「モレなく」「ダブりなく」です。ファイルが「該当するファルダが無い」や「複数のフォルダに該当する」ことが無いようなフォルダ構成になるようにしましょう。
フォルダ構成は最初に決めておかないとファイルを無くしたり、消してしまうなどトラブルの元になります。クランクイン前に作っておきましょう。
フォルダ構成図
階層は深すぎると探し難くなるので4段までにしておきましょう。
フォルダ名の頭に数字入れておくとその順番のフォルダが並びます。また、どのフォルダに含まれるかもわかります。
以下で説明する<000_ 0000>←この表記はフォルダを示します。
フォルダ名の頭にナンバーをつけるのは、フォルダの並び順を固定するのと、どのフォルダーの階層にあるか一眼でわかるようにする為です。
台詞ファイル
<010_Recorder> の中にはレコーダーのフォルダを作っておきます。上記の図はレコーダーが「R-4」一台を想定しているので一つだけですが、複数のレコーダーがある場合は、そのレコーダーのフォルダも作ります。
レコーダーのファイル中に「撮影日」のフォルダを作り、その日に録音した音声ファイルをそのままコピーします。リネーム前のファイルを残しておくのはリネームミスをした時に元に戻れるようにするためです。
コピーし終わったフィールドレコーダーのCFカードやSDカードの録音データーは作品が終了するまで消さないようにしましょう。パソコンにコピーしたからといって撮影中に消すのはトラブルの元です。
撮影日フォルダに入れた台詞のファイルは<021_Production> にコピーし、ファイルは録音シートを見ながらカットナンバーにリネームします。
編集部に渡すファイルは<021_Production>から<092 to editer>に渡す日付のフォルダを作りその中にコピーします。USBなどのメディアで渡す場合はこの日付けのフォルダをメディアにコピーします。
現場で録音した効果音はレコーダーのフォルダから<031_PFX>にコピーします。ここで効果音のファイルをリネームします。
<022_Dia_Edit>にはPro Toolsのセッションを作っておき、Pro Toolsで音を聞いたり、編集用の仮ミックスをするセッションとして使います。
<023_ADR> はADR(アフレコ)用のフォルダでここにADR用の ProToolsセッションを作っておきます。
効果音ファイル
<030_FX>は効果音関係のフォルダです。
<031_PFX>は現場で録音した効果音。
<032_Library>は効果音のライブラリーからコピーしたファイル。
<033_Foley>はFoleyのProToolsセッションを作っておきます。
音楽ファイル
<040_Music>は音楽ファイルを入れておくところ。
<041_Original>は作品の為に書かれた音楽をいれるフォルダ。
<042_Source>はCDなどの既成の曲やフリー音源からダウンロードしたソースミュージックを入れておきます。
DB用Pro Toolsセッション
<050_作品名_DB>はオールラッシュ後からダビングまで使うProToolsのセッションを作っておきます。
Pro Toolsのセッションを作るとその中に<Video Files>のフォルダができますが、サウンド編集からダビングが終わるまでは<050_作品名_DB>を毎日バックアップする事になり映像ファイルが入っていると時間がかかるので<Video Files>は<050_作品名_DB>の中に入れず階層を上げて<060_Video Files>にしてあります。
書類ファイル
<070_Text>は書類をいれておきます。
<071_Text_Schedule>は総合スケジュールや日々スケのPDF。
<072_Taxt_DIA>は録音部関係の書類。
<072_Taxt_Scenario>は台本や差し込み、アフレコ台本など。
<Text_Sound report>は録音シートを入れておきます。クラウドストレージで編集部に録音シートを送る場合はをフォルダ共有します。
<Text_Equipment>は機材リストと機材のマニュアル。
<073_Text_FX>はトラックシートやFoley用の小道具リストなどの効果音に関する書類を入れます。
<074_Text_Music>はキューシートや楽譜、歌詞カードなどを入れます。
<075_Text_others>は701から704までに該当しない書類を置くところです。
写真ファイル
<081_Photo_Location>ロケ地の写真。数が多い時は場所かシーンごとにフォルダをつくる。
<082_Photo_others>ロケ地の写真以外の写真。
他のパートに渡す
<090_to someone>はサーバーなどで他のパートと共有している場合はそれぞれのパートと共有フォルダにします。
共有フォルダにしていない場合でもこのフォルダを作り「いつ」「誰に」「何のファイルを渡しか」把握できるようにします。それぞれのパートのフォルダの中に渡した日のフォルダを作り、その中に入れるようにしましょう。
<091_to producer>プロデューサーに渡したファイル。
<092_to editer>編集部に渡したファイル。
<093_to FX>効果部に渡したファイル。
<094_to Music>音楽部に渡したファイル。
他のパートから受け取ったファイル
<100_from someone>他のパートから受け取ったファイルはここに入れます。必要であればここから別のフォルダにコピーします。渡す時と同様「いつ」「誰に」「何のファイルを受け取ったか」把握できるようにします。それぞれのパートのフォルダの中に、受け取った日のフォルダを作り、その中に入れるようにしましょう。
<101_from producer>プロデューサーから受け取ったファイル。
<102_from editer>編集部から受け取ったファイル。
<103_from FX>効果部から受け取ったファイル。
<104_from Music>音楽部から受け取ったファイル。