海外ではアフレコの事を「ADR」と言います。日本でもADRと言われることが多くなってきました。
交通量多い街中やの波音などが大きく台詞が明瞭に録音できない時は、スタジオでアフレコをします。
冬のシーンなのにセミが入ってしまったり、時代劇なのに車の音が入ってしまうなど、設定に合わない音が入ってしまう場合もアフレコを行います。
スタジオでけでなくノートパソコンなどを使って実際の場所でのアフレコをすると、臨場感のある音が録音できます。
芝居をしやすい環境を作ることも大切です。
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録音する音の流れ
マイクはミキサーのマイク入力に入れる。
入力ボリューム(アッテネーター、トリム、ゲインなど)でフェーダーが0dBぐらいになるように調整する。
フェーダーでボリューム調整したものをBus out(又はグループアウト)からPro Toolsの録音トラックに送る。
録音トラッックからミキサー側に音を返しモニターする。
ガイドの音
現場で録音したガイドの音はPro Toolsからミキサーに送る。
ミキサーのAUX out(Que、FX)からアフレコブースがわのヘッドフォンアンプに送る。
AUXはプリにしておき、ミキシングルーム側の音を絞ってもブース側いる役者さんには音を送っておく。
録音する音の流れ
マイクはマイクプリアンプに入れる。
マイクプリアンプでPro Tools側フェーダーが0dBぐらいになるように調整する。
フェーダーでボリューム調整したものを録音トラックに送る。
録音トラッックからモニターoutに送り音をモニターする。
ガイドの音
現場で録音したガイドの音はPro Toolsからミキサーに送る。
ミキサーのAUX out(Que、FX)からアフレコブースがわのヘッドフォンアンプに送る。
テンプレートファイルを作っておくと作業のたびにセッションを作らなくよいので時間短縮になります。
下記の写真はもっともシンプルなADRのテンプレートです。
モノラルトラックを一作りその中にプレイリストが10トラック入っています。
テンプレートファイルができたらテンプレートとして保存しておきましょう。(メニューのファイルの中にあります)
片録りの時は役者さんごとにこのトラックを作ります。
マイク二本で別々に録音する場合はステレオトラックで作成します。
I/OセッテングもADR専用のテンプレート作っておくとオーディオインターフェースが変わってもスムーズにルーティングをすることができます。
編集部からもらったADR用のOMF(又はAAF)を<102_from editer>の中に受取日のフォルダ<from editer_受取日>を作りそこに入れます。
そのOMFファイルを⌘Iでファイルの情報を見ます。「このアプリケーションで開く」の項目をPro Tools.appにし「すべてを変更」を押しウインドウを閉じます。(一度この設定にしておくとOMFは次からPro Toolsで立ち上がります)
そのOMFファイルをダブルクリックするとファイルがPro Toolsで立ち上がりダッシュボードが現れます。
名前を「作品名_OMF to PT_日付」としダッシュボードに表示されているファイルタイプ、サンプルレート、ビットディプスを作業する設定に合わせます。
保存場所をクリックして<024_OMF to PT>を選択します。
「作成」を押すとPro Toolsのセッション開き中を確認したらセッションを閉じます。
テンプレートフォルダにあるADRのテンプレートファイルを開きます。
先ほど作った「作品名_OMF to PT_日付」のファイルから映像ファイルとガイド用の台詞トラックをインポートします。
入出力の設定を合わせます。
マイクは現場と同じガンマイクを使うことが多いが、周りがうるさい訳ではないので単一指向のマイクでも大丈夫です。
ロングやアップなど画のサイズが変化する場合は、マイクをロング用とアップ用に二本立てるか、画のサイズに合わせてマイクを振りましょう。
部分的にアフレコをする場合はマイクの距離感や音質をシンクロの音と合わせましょう。
電話音は後で加工するので分けて録音ましょう。(相手の声をヘッドフォンで聞かせる)
録音トラックに録ったリージョンは該当するテイクのプレイリストに移動させます。
controlキーを押しながらマウスでリージョンを持って移動させると位置がずれません。
ADRの時も現場と同じ録音シートを書いてOKを記録しましょう。
録音が終わったらプレイリストにあるOK部分を選択してトラック名の下にある上むきの矢印をクリックすると元の録音トラックにコピーされます。
録音した音をエクスポートして編集部に渡します。
<092_to editer>ファイルに<to editer_日付>フォルダを作成する。
録音トラックを選択してからメニューの[ファイル]>[エクスポート]>[選択したトラックをOMF/AAFとして...]をクリックする。
[OMF/AAFへエクスポートする]ウインドウが開き設定を確認する
[以下でエクスポート]がOMFかAAFかは編集部に確認しましょう。
[Media Composerとの互換性を強制する]と[クリップをフレームの境界へクオンタイズ]は時間がかかるので外します。(必要であれば入れてください)
ターゲットプロジェクトのタイムコードフォーマットはセッションのタイムコードフォーマットになります。
特別なことがない限りサンプルレートは変換しません。
オーディオメディアオプションはWAVが一般的ですが、編集機が使っているファイル形式にします。
[コピーオプション]は[ソースメデイアにリンク]にしておくとAAFファイルに音声ファイルが組み込まれます。[ソースメディアからコピー][ソースメディアから統合]は音声ファイルが別になりますので編集部と相談してください。詳しくはPro Toolsのマニュアルを参照してください。
設定を確認したら[OK]を押します。
[パブリシングオプション]ウインドウが開きます
シーケンス名は編集機で扱う編集データ名になるので「作品名_ADR_日付」を書きます。
[OK]を押します。
名前をつけるウインドウが開きますがシーケンス名がファイル名になっているのでそのままOKをおします。
[エクスポートするAAFファイルに名前を付ける]ウインドウが開いたら最初に作成した<to editer_日付>フォルダを選択して保存を押します。
<to editer_日付>のフォルダを受け渡し用のメディアにコピーして編集部に渡します。
ガヤは、喫茶店のお客さんの声や学校の教室の生徒たちなどエキストラの人たちの声のことです。
台詞と同時に録音してしまうと編集した時にガヤがつながらなくなってしまうので、エキストラの人たちは声を出さずに芝居をし、撮影後に別途録音します。
台詞とミックスした時に主張しすぎないよう、適切な遠近感やボケ感で録音しましょう。
商店街やスクランブル交差点など、人混みの中をカメラが主観移動する場合は、映像に合わせて役者さんに動いてもらうか、マイクを振ると移動感が出ます。
客観的な説明はナレーション
内面的な独白はモノローグ
画面に登場している人物のモノローグは台詞と区別しやすくするため、音質を変えましょう。