06_Foley録音
フォーリー
FOLEY(フォーリー)は映像を見ながら役者の動きに合わせて、足音や衣擦れなど人の動きに合わせた効果音の事。日本では「生音」や「効果アフレコ」と言われてきたが、最近はハリウッドで使われている「FOLEY」と言われています。
FOLEYの名前の由来は、トーキー初期(1920年代後半)にユニバーサルスタジオでこの方法を始めたJack Foleyからとったと言われています。
日本では現場で録音された足音などの効果音使う事も多いですが、海外向けのM&E(海外で現地の言葉に吹き替えられるように、台詞を抜いた音楽と効果音)を作るようになってからは、ほとんどのシーンをやるようなりました。
Foleyは足音(footsteps)衣擦れ(rustling of clothes)小道具(props)に分けることができます。
この他にも泳ぐ音を水槽の中でやったり雨が傘に当たる音などを作ることもあります。
足音やコップを置く音など、人の感情を表すことが多いのとても重要な音です。
フォリーアーチストはその動作をする人に感情移入をして音を出すようにしましょう。
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事前準備
1.トラックシートを書く
オールラッシュが終わったら、どんな音を録るか4系統に分けてトラックシートに書き出します。
この4ラインがダビングの時のフェーダーになります。
F_A メインの足音ライン。そのシーンでメインになっている人の足音。(Foley footsteps AなのでF_F_Aですが短縮してF_Aにしました)
F_B 足音のサブラインエキストラの足音であったり、メインの足音にダブル音をこのラインに入れます。
F_C 衣擦れのライン。(Foley rustling of Clothesなので太字の部分をとってF_Cにしました)
F_P テーブルにコップを置いたり、椅子を動かしたりする小道具関係のライン。(Foley PropsなのでF_Pにしました)
2.靴や小道具を用意する
シンクロに足音が入っていることも多いので音の繋がりを考え撮影で使った靴を用意する。
自分のサイズにあった良い音が出る靴を用意する。サイズが違ったり、いい音がしない靴であれば、よい音は作れません。
上のシートでは主人公用の靴、エキストラ用の靴3、4種類、上履きが必要になります。
小道具も必要です。上のシートであれば、
主人公用のカバン
カバンを置く学校の机
教室の椅子
柔道場の畳(足音用)
柔道着
これらの小道具を用意しなくてはいけないので、撮影中から演出部や衣装部に借りることができるか確認しましょう。
Foleyスタジオにどのくらいの小道具があるかも確認しましょう。
小道具が用意されていないと作業が進まないので、録音する日には全て用意するようにしましょう。
3.スタジオセッティング
ガイドとなるシンクロトラックの音は、Pro Toolsから再生しミキサーのLINE 入力に入れる。
ミキサーのモニターフェーダー0dBの位置に合わせる。
Pro ToolsからOSCを出力し、入力ボリューム(アッテネーターやトリム)を使ってミキサーのVUメーターが0dBになるように調節する。デジタルメーターの場合は-20dBFSに合わせる。
マイクをミキサーのマイク入力に入れる。(コンデンサーマイクの場合はファントム電源を入れる)
入力された信号は[Bus out]からPro Toolsに送る。この音はモニターしないのでメインアウトには送らない。
Pro Toolsに入力された音は録音トラックに送る。
録音トラックの音はPro Toolsの中に項目別のAUXフェーダーを作りまとめてからミキサーに戻す。
ミキサーのLINE 入力に入れた音はモニターフェーダーを通ってモニターに送られる。
モニターフェーダーは工程2.3.と同じようにフェーダーを0dBの位置に合わせPro ToolsからのOSCでVUメーターを0VUに合わせます。
上記の図を元にPro Toolsのセッションを作ります。
Foley 録音
マイクはガンマイクを使うことが多いですが、スタジオの中なので単一指向性でも構いません。
ガンマイクは感度が高く小さな音を拾う事もできますが、マイクが近いと低音部分が上がってしまい不自然になることがあります。
ガンマイクが指向性が強いので正面を外れるとオフになってしまいますが、その特徴を使って最初に面が外れた位置から歩き初め、フレームインに合わせて面があっている場所で足音をするとオフからフレームインする足音が作れます。
画に合った距離感でないと違和感を感じるのでマイクの距離には気を使いましょう。
縦位置の構図でロングから手前に歩いてくる時に、足音に遠近感を出すためにはロングのマイクと手前のマイクを用意し、動きに合わせてフェーダーで切り替えます。
音がシャープすぎてしまう時はローパスフィルターで高音を抑えたり、ピッチシフトでピッチを下げましょう。
人は普通に歩く時は踵からついていますが、階段を降りる時はつま先からついています。このように動きを良く観察して音を出しましょう。