10_台詞編集①
ガンマイク
ガンマイクトラック
1.フィルター
ベースノイズの低減させるためにトラックのインサートにハイパスフィルターを入れます。
周波数は台詞の雰囲気を壊さないところで60Hz〜120Hzで調節する
レベルは24dBか18dB程度で調整する
シーンによって数値を変えたい時はオートメーションで変えるか、特定のシーンを別トラックにする
音がキンキンする時や高い周波数にノイズがある場合はローパスフィルターを入れる
ローパスフィルターは6dBか12dB程度で、高い周波数から低い周波数側(右から左)にポイントを移動させて心地よいところで周波数を決める
最終的にはダビングルームのモニターで数値を決めましょう
2.クリップゲイン
クリップの右下にあるフェーダーがクリップゲインです
カットのボリュームはクリップゲインで調整します。
3.クロスフェード
範囲を選択し[F]を押す
※ショートカットが実行されない時はキーボードフォーカスを確認しましょう
クロスフェードされた
※クロスフェードのカーブを替える場合は[⌘+F]
※キーボードフォーカス
キーボードフォーカスは選択したウインドウのショートカットを有効にするスイッチで、以下の3つのウインドウを切替ます。ショートカットが効かないときはこのスイッチを確認しましょう。
編集ウインドウ
クリップリストウインドウ
グループリストウインドウ
1.コマンドキーボードフォーカス
2.クリップリストキーボードフォーカス
3.グループリストキーボードフォーカス
4.短いノイズを抜くには
ノイズの手前範囲を選択、デュプリケイトする[⌘D]
すぐ後ろにペーストされ、ノイズがなくなる
5.ベースノイズトラックを作る
ノイズの平坦な場所を選択しコピーする[⌘C]
PFXトラックに貼り付ける[⌘V]
隣にコピー
リージョンを選択しでデュプリケイトする[⌘D]
リバースさせる
デュプリケイトしたプリップをリバースさせるAudioSuite>Other>Reverse
※リバースしなくても繋がる場合はそのままデュプリケイトしていく
シーンいっぱいまでノイズ伸ばす
二つのクリップを選択しデュプリケイト[⌘D]を繰り返してシーンいっぱいまでノイズを伸ばす
※選択するノイズは波打たないように「ゴー」や「サー」といった一定の場所を選びましょう。場合によってはNGテイクや、カチンコの前の無音部分なども探して見ましょう。このノイズはシーンいっぱい貼り付けますが、ボリュームを使って必要な部分だけ上げるようにしましょう。
※ガンマイクトラックをクロスフェードなどをつかってうまく繋がる場合はこのノイズトラックは必要ありません。
※最近はノイズリダクションソフトでノイズを抜いてしまいますが、ノイズが無いのが必ずしも良いわけではなく、雰囲気を伝えるには重要な音なので、うまく繋ぐ方法を覚えておきましょう。
※PFXトラックとは
PFXとはProduction Sound Effectsの略で(EffectはFXと略される)現場録音のトラックに入っている効果音のことである。DBではM&Eを作成するために効果音はトラックを分けてFXミックスを作る必要がある。
ここではベースノイズを繋ぐためにPFXトラック使ったが、現場録音の中でドア音や実景の環境音や電車、足音などが単独で録音されている箇所はガンマイクのトラックからPFXトラックに移動させる。
6.ボリューム調整
前後の繋がりや遠近感を考え「大きさ」「音質」「反響」を調整する。
アクション映画で大きな音楽や効果音が入るシーンは遠近感はつけずフラットにしておく。
遠近感をつけるには下記の表のように調整する
スマートツールを選択[⌘7]
トラックにボリュームを表示
セレクターで範囲を選択
トリマーでボリュームを下げる
グラバーでボユーム線を斜めに
この作業で使えるショートカット
水平方向にズーム [T]
水平方向にズームアウト[R]
カーソルがあるトラックを拡大縮小[E]
ポイントを削除[option+ポイントをクリック]
編集ツールの切り替え
トリマー[⌘+2] クリップの前後を縮めたり伸ばしたりします。ボリュームの時は大きさを上下させます
セレクター[⌘+3] 範囲の選択に使います
グラバー[⌘+4] クリップをつかんで移動させたたりボリュームの時はポイントを指定します
スマート[⌘+7] クリップ上でトリマー、セレクター、グラバーを自動的に切り替えます
7.音質調整
前後の音のトーンを合わせる時はEQを使い、音に遠近感をつける時はフィルターを使いましょう。
EQをかける範囲を選択
AudioSuiteでEQ3-7Bandを選択
スピーカーをクリックして音を再生
再生された音が小さい時
プレビューボリュームが下がっていると小さく再生されてしまいます。
[option+クリック]で0に戻ります。
OUTPUTでボリュームを調整
大きさを変更したい時はOUTPUTで調整する
レンダーで音を書き換え
パラメーターを元の位置に戻す場合
EQのゲインや周波数などのパラメーターはoptionを押しながらエンコーダーをクリックするとデフォルトの設定にもどります。
やり直す場合
直近のやり直しは[⌘Z]でもどりますが、工程が進んでしますと戻せなくなります。編集作業を始める前にプレイリストに複製しプレイリストから戻すようにしましょう(台詞トラックにクリップを配置 7)
プレイリストから編集前の音を戻すには
トラックビューセレクターでプレイリストにする
セレクターで戻す範囲を選択(クリップの場合はグラバーで選択)プレイリストの上向の矢印をクリック
プレイリストを表示
範囲を選択して矢印ボタンをクリック
8.反響をつける
反響は遠近感をつける場合と、廊下や地下室、夢の中などシーン全体に空間の反響つける方法があります
音を遠い音にする場合はモノラルでリバーブを作成します
1.切り出し
セレクターでリバーブをつける台詞を選択し[B]でクリップを分割
2.「adr_a_re」トラックにコピーを作成
[option+control+クリップをグラバーで移動]
分割された元のクリップは[⌘H]で戻す
3.AudioSuiteからD-Verbを選択
4.適切なリバーブの種類を選択
5.部屋のサイズの選択
6.高い周波数を切る
音を聞きならがらHF CUTで4kH〜1kHぐらいまで下げる
レンダーでクリップ書き換えたらクリップゲインで大きさを調整
シーン全体に空間の反響をつける場合はステレオリバーブで作成します
センドで送る
リバーブをつける台詞の素材トラックをセンドの「Plugin_in_st」をクリック
センドフェーダーが表示される
フェーダーを0dBまで上げる[option+フェーダーをクリック]
ミュートが掛かっている時は外す
D-Verb(ST)を立ち上げる
「Plugin_st」トラックのインサートにあるD-verbを立ち上げパラメーターを設定する
リバーブ成分をおくる
「Plugin_st」の出力を「d_re_aST」トラックにルーティングする
リバーブ成分を録音する
「d_re_aST」トラックの入力を確認する
このトラックにリバーブ成分録音する
ワイヤレスマイクトラックなどにもセリフがある場合はそのトラックも「Plugin_st」トラックに送ります。
トラック間のルーティングはテンプレートファイルでセッティングされています。音がこない時はルーティイングを確認してください。
9.ガンマイクが二本以上あるの場合
複数のマイクがあると位相ズレを起こすことがあるので、面の合っているマイクを残し、それ以外はミュートします。
ロングやオフにする場合はメインマイクとのオフマイクのバランスを考え、位相ズレが起きているときは位相を合わせます。